オスカー・リッカルディ ヴェズヴィオ 油彩画
オスカー・リッカルディ|Oscar Ricciardi(1864–1935)
ヴェスヴィオ|VESUVIO
制作年代|19世紀末〜20世紀初頭頃
技法|油彩
額装サイズ|W40 × H32 cm
価格|¥580,000(税込)

鮮烈な青空の下、静かに横たわるヴェスヴィオ。
オスカー・リッカルディは1864年ナポリに生まれ、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したイタリアの画家です。
海辺やナポリの街、そこに暮らす人々の日常を題材とし、とりわけ光に満ちた小さな風景画や海景画を数多く残しました。
その明るく軽やかな色彩表現から、ナポリにおける印象主義の初期を代表する画家の一人として位置づけられています。

1881年,1884年のナポリ「Promotrice Salvator Rosa」をはじめ
1891–92年のパレルモ全国展
1894年のミラノ
1898年,1902年,1908年のトリノ
そして1916年のナポリ全国美術展などイタリア各地の展覧会に出品しました。
現在その作品はプーリア国立美術館「Girolamo e Rosaria Devanna」にも収蔵されています。イタリアの文化財総合カタログには同館所蔵のリッカルディによるナポリの風景画が複数登録されており、彼が「小さく光に満ちた風景やナポリの眺望」を描いた画家であったことが記録されています。

本作で何よりも目を奪われるのは画面いっぱいに広がる鮮烈な青です。
澄み切った青空を大きく取りその下に赤褐色のヴェスヴィオ、柔らかな緑の大地、そしてぽつんと佇む淡いクリーム色の館。
細部を緻密に描き込むのではなく絵具を軽やかに重ねながら光や空気、その土地の色そのものを捉えています。
青、赤褐色、緑、クリーム色。
大胆とも思える色彩の取り合わせは100年以上前に活躍した画家の作品であることを忘れてしまうほどモダンです。
40 × 32 cmという小ぶりな画面の中に南イタリアの光と空気、そしてヴェスヴィオを望む風景の記憶が凝縮された一枚です。

この作品に惹かれた理由はとてもシンプルです。
この「青」があまりにも美しかったから。
古い絵画というと、どこか重厚で飾る場所を選ぶものと思われるかもしれません。
ですがこの作品には不思議なほどの軽やかさがあります。
画面の大部分を占める鮮やかな青、ヴェスヴィオの少しくすんだ赤、草木の緑。そしてその中に小さく置かれたクリーム色の建物。
ひとつひとつの色を眺めていると風景画でありながら一枚の抽象画を見るような心地よささえ感じます。
また40 × 32 cmという小ぶりなサイズも魅力です。
絵画のために特別な場所を設けるのではなく、チェストの上や本棚のそば、椅子や照明のある小さな一角に。家具やオブジェと同じような感覚で暮らしの中へ自然に取り入れていただける作品だと思います。
そして華やかな金色の古典的な額装に対し作品のすぐ外側には素朴な木肌の額が合わせられています。
クラシックでありながら、どこかモダン。
歴史を感じさせながら決して古びて見えない。
HEATHが古いものをご紹介するときに大切にしているのは年代や作家の評価だけではありません。
今見ても美しいか。
今の暮らしに置いても心が動くか。
100年という時間を越えてなお、この青は鮮烈です。
そんな古い絵画の魅力を鮮やかに教えてくれる一枚です。